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山下式ニート分類法【10類型】
ニートに至るプロセスが異なれば、ニートの種類も様々であることが理解できます。
下記は、ニート経験のあるニート専門家としての立場から、山下式ニート【NEET】分類法と題して、ニートの10類型について、述べさせていただきます。


1.新卒型ニート

一般的に、中卒・高卒・大卒という学卒前後には、進学か就職かの進路決定をすることになります。しかし、学歴が下がる程、就職に関しては厳しいのが現実です。
また、進学が普遍化している現在、就職するという概念自体薄れています。
その上、学校教育上のカリキュラムで、職業に関することを意識するきっかけは、ほとんどありません。そのような状態で、学卒前後に急遽将来の職業や自分の適性を判断することは不可能です。進学も就職もどちらも決断できなければ、あとは必然的に何もしない(ニート)を選択することは当然です。あえてニートになるというよりは、ニートになる仕組み自体が既に存在しているのです。



2.中途退学型ニート

ニートの比率が高いのが、この中途退学型のニートです。
高校中退の場合は、学歴上は中卒になるわけですし、大学中退の場合は、学歴上は高卒という扱いになります。
大学への急激な進学率の上昇に伴い、大学という学歴の価値は以前ほどなくなっているのは確かです。しかし、大学の価値が薄れ、進学が普遍化したということは、今まで高卒生が補っていた業務を、その分大卒生が代替又は補うようになったことを意味します。
それは、それまでの中卒生が補っていた業務を、高卒生若しくは大卒生が代替又は補うようになったことも意味します。
全体的に学歴の価値が下がったとはいえ、段階としての学歴が存在する以上、中卒よりも高卒、高卒よりも大卒という判断をするのが今の企業及び日本の姿なのではないでしょうか。このような流れの中では、中途退学をした場合、就職や採用といった面からは不利になってしまい、進路としての選択肢は限定され、その結果やむを得ずニートになるパターンも多々あると思います。



3.離職型ニート

学卒後一度は就職したが、雇用のミスマッチ及びその他の理由から会社等を離職し、その後、自分の求める仕事がないことや、本来的にやりたいことを理解していなかったことから、離職を契機にそのままニートになってしまう場合が該当します。
若年者の離職に関して、「七・五・三離職」という言葉がありますが、この言葉は離職型ニートを語る上では、重要なキーワードです。中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が、新卒後3年以内に離職することから、名付けられた言葉ですが、何故「七・五・三離職」するのかといった本題については、ほとんど述べられていません。
もっとも、「七・五・三離職」については、通常の流れで考えれば、何も不自然なことはありません。大卒・高卒・中卒という風に年齢が下がれば、一般的に就業意識が低くなるのは当然ですし、そもそも、中卒・高卒・大卒の各々で、職業選択の幅もまったく異なっています。(一般的には、大卒・高卒・中卒という順序で職業選択の幅は狭まります。)
「七・五・三離職」は、時間軸の差異と職業選択の幅に比例して、発生している現象といえます。



4.資格型ニート

国家資格の取得を目指し、短期合格を果たすため、アルバイト等は一切行わず、あえてニートになるというパターンもあります。一般的には、難関国家試験になるほど、勉強する時間は膨大に必要になります。昨今は、働きながらや、アルバイトをしながら難関国家試験に合格することは、厳しいのが現状です。もちろん、どこかで働いたり、アルバイトをしながら合格することも、不可能とはいえませんが、限りなく難しいのも確かです。
学生時代であれば、豊富に時間がありますが、卒業前後にまたがって、難関資格を目指すとなると、働くことと両立するか、若しくはニートになるかの選択肢が考えられます。
質と同時に量が求められる難関資格の場合には、1日の大半に精力を注ぐ必要があります。そう考えれば、短期合格を目指す上で、ニートになるという選択肢も十分有り得ます。もっとも、難関資格であるが故に挫折して、そのままニートを続けるというパターンも当然あると思います。



5.ひきこもり型ニート

ニートは、ひきこもりと重複する部分も多く、ニートのおよそ半数程度が、ひきこもりと何らかの関連性があるようです。ニートとひきこもりの決定的な違いは、家族等の親族以外の第3者(知人や友人等)との人的関係があるかないかの違いだけです。ニートは、何らかの形で外部との接触が、一定程度保たれていますが、ひきこもりの場合には、外部や家族以外の第3者との人的関係が、まったく遮断された状態にあります。そういった点からすると、ニートはひきこもりの一類型といえますが、残りの半数は、ひきこもりと直接関係性があるとはいえないので、一概にニートだから、ひきこもりが多いとも断定できません。ただし、ひきこもりは、不登校の問題とも密接にかかわっているので、ニートに関しても不登校の問題は十分考えられます。



6.精神疾患型ニート

うつ病や摂食障害等の精神疾患によって、ニートになるパターンもあります。
また、対人恐怖症や強迫症状によって、対人関係やコミュニケーションがうまく測れないことから、ニート化する場合もあります。
この精神疾患型ニートの場合には、ひきこもりや不登校の問題とも密接に絡んでおり、社会的ひきこもり(自宅にひきこもって、社会参加をしない状態が6カ月以上持続しており、精神障害が、その第一の原因とは考えにくいもの)との因果関係も相当程度強いと思われます。精神疾患型に関しては、その症状の程度により、ニートになる場合と、ひきこもりになる場合の2つに分けられます。
比較的症状が軽く回復傾向にあれば、ニートの状態を維持することもありますが、症状が重く回復の兆しが、まったくないようであれば、完全なひきこもり状態となることも珍しくありません。



7.非行型ニート

非行型ニートは特に青少年期に多い類型で、中卒者及び高卒者の進路決定とも密接にかかわります。
中卒者及び高卒者の就職に関しては、中途退学型ニートの場合と同様、職業選択の幅がそれ程広いとはいえません。中卒者及び高卒者の就職は、大学のような自由応募制ではなく、学校による斡旋がほとんどだからです。学校推薦の流れとして、各企業は、公共職業安定所(ハローワーク)で求人内容の確認を受け、その上で独自に選んだ学校に学校推薦の依頼をすることになります。学校推薦以外での応募の機会が少ない中卒者及び高卒者の場合、学校推薦が得られなければ、就職したくても就職できない可能性があります。
就職が不可能となった段階で、進学に進路変更できればまだ良いのですが、進学するにはある程度の学力や成績がないと、進学しようにも進学することはできません。
非行者の場合、学校推薦の可能性は低いですし、学力や成績の面でも十分ではありません。
就職も難しく、進学も厳しいとなると、進路未定のまま卒業するというパターンが濃厚です。進路未定のまま卒業したパターンでは、その後ニートになる確率は相当高いと思われます。



8.模索型ニート

自分のやりたいことや適性がわからないことから、必然的にニートを選択した場合が、この模索型ニートです。
もちろん、上記のことはニート特有の事柄ではありません。
歳を重ねた大人であっても、やりたいことを理解しているとは、言い切れません。
また、仮にやりたいことが見つかったとしても、それが自分にとって、本当にやりたかったことなのかを判断することも容易ではありません。
少ない経験や頭で考えてわかる程、簡単な問題ではないことは確かです。
そもそも働くことが、必ずしもやりたいことに直結するとも言い切れません。
働く意味に正解がない以上、やりたいことを見つける方法も一つではないと思います。
様々な人との交流を通して、自分自身を客観的に見つめることも、やりたいことを見つける上では、有効な手段かもしれません。



9.フリーター型ニート

フリーターとニートは、たしかに分類上異なります。しかし、ある種の束縛や既成概念を敬遠し、自由を求める傾向等、共通する部分も数多く見られます。
また、仮にニートであっても、何かのきっかけで、フリーターとなる場合もありますし、逆にフリーターであっても、何かを契機にニートになることもあります。
一概にニートと言っても、分類上はフリーターに近い類型もありますし、フリーターであっても実質はニートに近いパターンも考えられます。その他、フリーターとニートを交互に行き来することも、意外に少なくないと思われます。
そう考えれば、フリーターとニートの分類上の違いや、就労の有無だけに着眼するのではなく、各々の類似性や共通性について、もっと深く理解する必要があるでしょう。



10.社内ニート

最近では、無事に就職を果たしても、ニート化してしまう「社内ニート」という存在も徐々に増加しています。
具体的な事例としては、1.親族経由の縁故入社を果たしたが、もともと働く気がなかったパターン 2.目的意識がないのに就職してしまったため、入社した段階で燃え尽きてしまったパターン 3.自分が描いていた理想と現実の会社との間に、大きなギャップを感じた結果、就労意欲が一気に失せてしまったパターンがあります。
社内ニートに関しては、1〜3の状態になったとしても、必ずしも転職するという訳ではありません。社内でニート化した状態で、何もしないというパターンも多々あるようです。
実際には上記以外でも、様々な類型の「社内ニート」があると思われます。
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